「睡眠薬の長期使用は認知症を増やす」
不眠は国民病と言われるほど、お困りの方は多いです。 原因として、痛み、かゆみ、いびき・無呼吸、夜間頻尿、不安、憂うつなど、睡眠に随伴する、歯ぎしり、悪夢寝言、むずむず足、足ピクッキ症、レム睡眠行動障害など多彩です。
いずれも医療の介入により改善します。厄介なのは 、原因が気持ちや心にある精神生理性不眠と呼ばれる睡眠障害です。このタイプの不眠の人の多くは、遅寝、運動不足、性格的要因を持っています。原因は様々であっても、ぐっすり眠りたい願望は万人に共通する願いです。
そこで登場するのが、睡眠に関するさまざまなサプリメントと睡眠薬です。不眠に難渋し手っ取り早く眠りたい人は睡眠薬にすがります。慢性睡眠不足は認知症につながり、ギャバ系睡眠薬の長期使用も認知症につながると言われています 。
では、依存性もない認知症にもならない、安心して飲める睡眠薬はあるのかと聞かれたら、残念ながら絶対安心な薬は無いが答えです。比較的安心と言われている睡眠薬も、研究者によるとカ価が弱いだけで、転倒、認知症の危険度は同じとのことです。
若い人でも睡眠薬の内服の翌日に一過性健忘や眠気をきたすことがあります。私が安心して勧めるのは睡眠ホルモン・メラトニンです。安全性を担保するため、厚労省から薬監証明をもらい、信頼できるメーカーの医療用メラトニンを輪入して治療に使っています 。
私は不眠症の方には 、まず医療用メラトニンを処方し、早寝と運動を勧めています。意志薄弱で生活改善ができず、どうしても睡眠薬がないと眠れない、仕事に支障をきたしている、体調不良で困っている人には 、厚労省から唯一警告の出ていない睡眠薬、抗覚醒ホルモン薬、認知機能に関係しないセロトニン系薬、低用量の抗てんかん薬などを使います。
不眠解消の決め手は、早寝早起きウォーキング、そして完璧主義で、こうあるハズだ、ベキだのこだわりの改善です。自己責任をもってこの二つの改善への対処をお願いします。