イビキ①

学生時代に合宿で艇庫に寝泊まりをしていた時、先輩のイビキに逃げ場のない災難にあった苦い思い出がある。仲間なら足で蹴飛ばせば寝返りを打ってイビキは収まるが、先輩となるとそうはいかない。家庭では、父親のイビキには家族皆、我慢したものだ。イビキは騒音だけが問題になっているが、健康被害も馬鹿にしてはいけない。連続する微小覚醒による深睡眠の減少と熟眠不足は、本人にとっても相当に辛いものがある 。

見えない弊害として、イビキによって生じる不十分な呼吸とそれに伴う低酸素は、慢性的に続くと心血管系にとって負担となる。

血圧の上昇は放置すると高血圧につながり、連夜の低酸素は、心血管系に悪影響を及ぼし狭心症や心筋梗塞のリスクを高めることになる。たかがイビキされどイビキと言われる所以である。イビキは老若男女を問わず、口を開けて眠る舌恨沈下によるイビキ、残遺扁桃腺によるイビキ、更年期の口腔筋肉の緊張低下によってもイビキは起きる。イビキは成人病の遠因として放置されるべきではない、と私は警告している。


最近、イビキを無侵襲、安価に検診感覚で検査できる機器が登場した。この検査で睡眠中の酸素飽和度SPO2が分かる。この検査はストレスゼロ、治療費も3割負担で300円と安価だけれど、得られる情報は驚くほど多い。私は、この検診感覚の終夜酸素飽和度検査の普及と、口を閉じて眠る安眠グッズ、メラトニンの紹介、枕の紹介、重症はさらに詳しい検査の紹介とイビキの健康管理に力を入れている。

 

イビキ検査は、どなたも試してみる価値のあるお奨め検査である。