夜間頻尿 解消のワザ

私たちは昼間 、大脳が排尿を上手にコントロールしてくれるおかげで、おしっこの回数、出かた、色など気にすることなく快適生活をしている。ところが睡眠中は、尿が溜まる(尿意)と一旦覚醒しなければならない。 2回、3 回、それ以上になるとぐっすり感が損なわれ、つぎの日の気分や仕事にまで影響が出てしまう。夜間の排尿回数は少ないに越したことはない。これは万人の願いだが高齢者にはより深刻な問題。

その原因は ① 高血圧 、動脈硬化により、夜間の血圧が下がらないために尿量が減らない。② 浮腫などで下半身に溜まっていた水が、夜間仰臥位になると一挙に心臓、腎臓へ戻ってきて尿量が増える。③ 夜間は抗利尿ホルモン・バゾプレシンの分泌が不十分になるため尿量が減らない。④ 意外と知られていない原因に塩がある。夕食の塩分量が多いと夜間多尿と夜間頻尿となる。塩分を減らせば尿量も回数も減る理屈となる。⑤ 大きな原因の一つは 、脳梗塞、心筋梗塞を予防するために、水を飲んで血液をサラサラにしましょうという飲水指導である。ところが、2ℓ以上の水を毎日飲む人の血液粘調度を調べてみると、意外に血液粘調度に変化はないという 。一方で、食事以外にあまり水を飲まない人は 、脳梗塞発症の頻度が高いという。やはり飲水は大切で必要なのだ。では、食事以外の適正飲水量とはいかほどか?

それは体重の2~2.5%。体重50kgの人では1000~1250cc程度、体重70kgの人では1500~1750cc程度である。


この適正飲水量を起床から夕食までの間に済ませることだ。夜の口渇時や早朝に飲む一杯の水を枕元に置いて寝るなど、賢い飲水習慣を身につけると、ずいぶんと夜間頻尿は改善される。⑥夜間頻尿の原因に筋肉減少による貯水障害と冷えがある。筋肉は人体の中で最大の貯水ダムだから、筋肉のない人は飲んだ水はすぐに尿となる。おまけに筋力と運動機能の低下による転倒や骨折がある。泣き面に蜂とはこのこと。夜間頻尿の薬物治療は、午後からの利尿剤や、抗利尿ホルモン類似のデスモプレシン内服など山ほどあるが、私は安価でよく効く医療用メラトニンを処方している。さあ、薬が効かないとぼやく前に、夜間の頻尿対策は水と塩と筋肉であるから、明日から賢い対処でぐっすりとお休みいただきたい。